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理事長あいさつ

清野 裕  近年、我が国における国民の健康水準は世界のトップレベルとなり、急速に高齢化社会を迎えつつあります。このような変化の要因として、他の国に例を見ないほど短期間に国民の食生活が欧米化したことが挙げられます。
一方で、これに伴い、国民の疾病構成の変化、特に糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞あるいは癌などを中心とした生活習慣病の増加が深刻な問題となっています。これら疾患の発症を防止し、また、発症したものに対し適切な治療を行うためには、代謝栄養の側面からの研究が必要です。
 代謝学と栄養学は、学問の進歩に伴い、その領域を区別することは困難で、現在は一体の学問としてとらえられていますが、我が国においては、主として基礎的な研究のみに主眼が置かれていました。
 病態栄養学とは、種々の疾患の発生機序や病態栄養学的側面から究明し、その治療並びに予防を目的とする極めて特色ある分野です。病態栄養学は、内分泌、消化器、循環器、腎臓など臨床各科にまたがる幅広い領域の疾患を対象としており、近年、その予防・治療並びに研究はますます重要性を増しつつあります。この分野は欧米において既に半世紀も前から体系化されており、臨床予防医学の重要な領域に位置づけられていますが、我が国においては疾病構造が異なっているため、この分野の研究が特に臨床面では大きく立ちおくれてきました。近年、分子生物学を中心とした生化学や生理学の進歩によって、代謝栄養学にも新しいアプローチが可能となっています。一方、栄養管理についてもその理論的根拠の確立が急がれ、病態別の食事療法の見直しが迫られています。
このような実情から、患者を対象とした代謝栄養学の情報交換が極めて重要となり、ここに病態栄養学会を設立するに至りました。この学会は、さまざまな職種の人で構成されていますが、自由活発な議論を踏まえて、我が国の病態栄養学の発展に希代することを念ずる次第です。

一般社団法人 日本病態栄養学会
理事長 清 野  裕