制度規約(認定第7回)
日本病態栄養学会・日本栄養士会認定
がん病態栄養専門管理栄養士制度規約
【本格版改正規約】認定第7回(2020年4月1日認定申請分)より適用
認定第6回(2019年4月1日認定申請分)まで適用の暫定措置版はこちら
目次
- 第1章 総則
- 第2章 がん病態栄養専門管理栄養士の申請条件
- 第3章 がん病態栄養専門管理栄養士の申請と認定方法
- 第4章 がん病態栄養専門管理栄養士の資格の喪失と取消し
- 第5章 がん病態栄養専門管理栄養士の更新条件
- 第6章 がん病態栄養専門管理栄養士更新の申請と認定方法
- 第7章 がん病態栄養専門管理栄養士研修における指導師の概要
- 第8章 指導師の申請条件
- 第9章 指導師の申請と認定方法
- 第10章 指導師の資格の喪失と取消し
- 第11章 指導師の更新条件
- 第12章 指導師更新の申請と認定方法
- 第13章 がん病態栄養専門管理栄養士研修における実地修練施設の概要
- 第14章 実地修練施設の申請条件
- 第15章 実地修練施設の申請と認定方法
- 第16章 実地修練施設の資格の喪失と取消し
- 第17章 実地修練施設の更新条件
- 第18章 実地修練施設更新の申請と認定方法
- 第19章 制度の運営
- 第20章 制度規約の改廃
- 第21章 補則
第1章 総則
- 第1条
- (目的と意義)
がんは、我が国において昭和56(1981)年より死因の第1位であり、国民の生命及び健康において大きな問題になっている。予防はもちろんのこと、治療、療養において、患者のQOLの向上や医療費の適正化は重要な課題である。がん患者においては、疾病や治療に伴う影響、精神的な苦痛等、複数の原因が相まって、しばしば栄養管理が困難な状態となる。これを円滑に行うには、がんに関する高度な知識と専門技術を有する管理栄養士が必須である。日本病態栄養学会(以下、本学会)では、既に病態栄養認定管理栄養士(旧名:病態栄養専門師)の資格認定制度を確立し、栄養管理・栄養療法に関する幅広い知識と技術を修得した管理栄養士の育成を図ってきた。さらに、近年のがん患者の増加に対応するために、栄養に関する専門職としてのがんの栄養管理・栄養療法に関する高度な知識と技術を取得した病態栄養認定管理栄養士の育成とチーム医療への連携強化を目的とし、2013年度に、がん病態栄養専門師の認定を開始した。2014年度からは、日本栄養士会と共同して新たな「がん病態栄養専門管理栄養士」の認定制度に移行した。これにより、国民のがんに対する予防・治療・ケアに食と栄養の面から寄与することが可能となり、がん診療の向上と医療の適正化が図られることが期待される。 - 第2条
- (名称)
前条において認定する専門管理栄養士は、がん病態栄養専門管理栄養士、英文ではCertified Specialist of Registered Dietitian for Cancers(略称CSRDC)と称する。 - 第3条
- (委員会の設置と業務)
本学会はこの制度の維持と運営に当たるため、がん病態栄養専門管理栄養士制度委員会(以下委員会)を設け、がん病態栄養専門管理栄養士および、がん病態栄養専門管理栄養士研修における指導師並びに、実地修練施設の審査・認定・更新業務を行う。 - 2
- 委員会の業務内容は、本委員会運営規定に別に定める。
第2章 がん病態栄養専門管理栄養士の申請条件
- 第4条
- がん病態栄養専門管理栄養士を申請する者は,次の条件を全て満たすことを要する。
(1)日本国の管理栄養士免許を有し、管理栄養士としての人格と見識を備えていること。
(2)本学会および日本栄養士会の会員であること。
(3)申請年度分までの両会年会費を完納していること。
(4)本学会認定「病態栄養認定管理栄養士」または、日本栄養士会認定「臨床栄養認定管理栄養士」を取得していること。
(5)本学会が認定した実地修練施設において研修カリキュラムに基づき通算2年以上の研修を受け、これを修了していること。
(6)過去3年以内に実地修練施設で行ったがん患者の栄養管理実績のうち下記の5症例を有すること。 以下A区分より3分野4症例、B区分より1症例
A:
①呼吸器がん、頸頭部・口腔がん、脳腫瘍
②消化管がん(食道、胃、大腸)
③肝胆膵がん
④婦人科がん、泌尿器科がん、乳がん
⑤内分泌系がん(副腎、甲状腺など)、血液がん、その他
B:
①緩和ケア
②在宅医療(7)本学会および日本栄養士会が認定する、がん領域の認定単位を30単位以上取得すること。単位取得の方法と単位数は、“申請・更新細則”に別途定める。
- 2
- 附則
(1)前項(5)の条件は2年毎に見直すことができる。
(2)前項(5)における研修カリキュラム、到達目標など実地修練の具体的な研修内容と方法は別途附則に定める。
第3章 がん病態栄養専門管理栄養士の申請と認定方法
- 第5条
-
がん病態栄養専門管理栄養士認定を申請する者は、次の書類を委員会に提出する。
(1)受験申請書・履歴書(本学会申請書類の所定様式)
(2)本学会認定「病態栄養認定管理栄養士」または日本栄養士会認定「臨床栄養認定管理栄養士」認定証(写)
(3)実地修練施設研修カリキュラム修了証(本学会所定様式)
(4)5症例報告(本学会申請書類の所定様式)
(5)取得申請単位計算書
(6)申請単位の取得を証明する書類(指定講習、セミナー等の受講証や学会発表抄録、論文など別途細則に定める対象活動)
- 第6条
- 委員会は年1回申請書類および症例と試験によって審査を行う。
- 2
- 申請料は30,000円とする。
- 第7条
- 委員会は審査に基づき合否を判定して本学会理事長に報告する。理事長は理事会の承認を経て受験者本人に合否結果を通知する。
- 第8条
- 合格者に対して、認定証とバッジを交付する。
- 2
- 認定日は翌年4月1日とし,認定期間は5年間とする。
第4章 がん病態栄養専門管理栄養士の資格の喪失と取消し
- 第9条
-
がん病態栄養専門管理栄養士は、次の理由によりその資格を喪失する。
(1)日本国の管理栄養士免許を取り消されたとき
(2)がん病態栄養専門管理栄養士を辞退したとき
(3)本学会および日本栄養士会を退会または、会員資格を喪失したとき
(4)がん病態栄養専門管理栄養士の認定を更新しないとき
(5)本学会「病態栄養認定管理栄養士」または日本栄養士会「臨床栄養認定管理栄養士」認定の更新をしないとき、または認定資格を喪失したとき
- 第10条
-
本学会および日本栄養士会は、次の理由により委員会、理事会の議を経て認定の資格を取り消すことができる。
(1)申請書類に虚偽が認められたとき
(2)がん病態栄養専門管理栄養士として相応しくない行為が認められたとき
第5章 がん病態栄養専門管理栄養士の更新条件
- 第11条
-
次の条件を全て満たすことを要する。
(1)本学会および日本栄養士会の会員であり、更新申請年度分までの両会年会費を完納していること。
(2)更新申請時に本学会認定「病態栄養認定管理栄養士」または、日本栄養士会認定「臨床栄養認定管理栄養士」の資格を更新していること。
(3)5年間に新たに、前条第4条の(6)に掲げるがん患者の栄養管理実績5症例を提出すること。
(4)更新単位を20単位以上取得すること。単位取得の方法と単位数は、“申請・更新細則”に別途定める。
- 2
-
(更新猶予)
認定期間満了日までに更新条件を満たしていない場合の取扱いは次の通りとする。
(1)認定期間満了日までに更新手続きが出来ない認定者に対しては、本人の申し出により認定期間満了日から1年間に限り更新猶予期間を認める。この場合、所定の様式により“更新猶予願い”を更新手続き時に提出しなければならない。
(2)翌年の更新申請に合格した認定者の更新認定期間は4年間とする。
(3)更新猶予期間中は、がん病態栄養専門管理栄養士を呼称することは出来ない。
(4)妊娠・出産に伴う休暇や傷病による休職および、海外留学など止むを得ない事情のある場合は、その証明書と本人からの理由書(任意書式)を本学会に提出し、承認が得られれば、当該期間は認定期間から除外することが出来る。
第6章 がん病態栄養専門管理栄養士更新の申請と認定方法
- 第12条
-
更新を申請する者は,次の書類を委員会に提出する。
(1)委員会所定の更新申請書類一式
①更新申請書
②取得更新単位計算書
③更新単位の取得を証明する書類
(指定講習、セミナー等の受講証や学会発表抄録、論文など別途細則に定める対象活動)(2)本学会「病態栄養認定管理栄養士」または、日本栄養士会「臨床栄養認定管理栄養士」認定証の写し(更新申請時に有効なもの)
(3)5年間に新たながん患者の栄養管理実績5症例
- 第13条
- 委員会は更新申請書類により審査を行う。
- 2
- 更新申請料は20,000円とする。
- 第14条
- 委員会は審査に基づき合否を判定し、更新申請者本人へ結果を通知する。
- 第15条
- 更新合格者には新たな認定証を交付する。
- 2
- 更新期間は,前認定期間満了日の翌日(4月1日)から5年間とする。
第7章 がん病態栄養専門管理栄養士研修における指導師の概要
- 第16条
- がん病態栄養専門管理栄養士研修指導師(以下、指導師)は、がん患者の栄養管理に関する豊富な知識と実施能力を有し、本学会が認定する実施修練施設において、がん病態栄養専門管理栄養士を目指す管理栄養士を指導・育成できる人材であるとともに、がん栄養管理の発展に寄与すると本学会が認定した管理栄養士である。
第8章 指導師の申請条件
- 第17条
-
指導師を申請する者は、次の条件を全て満たすことを要する。
(1)がん病態栄養専門管理栄養士の資格を保持していること。
(2)がん病態栄養専門管理栄養士の資格取得後、2年以上実地修練施設において、がん栄養管理に従事し豊富な学識と経験を有し、指導能力を有すること。
(3)過去5年間に査読のある関連学術誌に掲載されたがん病態栄養に関する論文(原著、総説、症例報告、著書を含む)が、筆頭著者で1編以上、または共著で2編以上を有していること。
第9章 指導師の申請と認定方法
- 第18条
-
指導師の認定を申請する者は、本学会所定の次の書類を委員会に提出する。
(1)指導師認定申請書・履歴書
(2)実地修練施設における、がん栄養管理従事証明書
(3)業績目録
- 第19条
- 委員会は年1回申請書類によって審査を行う。
- 2
- 申請料は、20,000円とする。
- 第20条
- 委員会は審査に基づき合否を判定して本学会理事長に報告する。理事長は理事会の承認を経て申請者本人に結果を通知する。
- 2
- 指導師認定合格者に対して、理事長は理事会の議を経て指導師証を交付する。
- 3
- 認定日は翌年4月1日とし、認定期間は5年間とする。
第10章 指導師の資格の喪失と取消し
- 第21条
-
指導師は次の理由によりその資格を喪失する。
(1)正当な理由を付して指導師の資格を辞退したとき。
(2)本認定規約第4章第9条により、がん病態栄養専門管理栄養士の資格を喪失したとき。
(3)指導師の更新を受けないとき。
- 第22条
-
本学会および日本栄養士会は、次の理由により委員会、理事会の議を経て認定の資格を取り消すことができる。
(1)申請書類に虚偽が認められたとき。
(2)指導師としてふさわしくない行為が認められたとき。
第11章 指導師の更新条件
- 第23条
- がん病態栄養専門管理栄養士の資格を保持していること。
第12章 指導師更新の申請と認定方法
- 第24条
- 指導師の更新を申請する者は、次の書類を委員会に提出する。
指導師更新申請書(本学会所定様式) - 第25条
- 委員会は更新申請書類により審査を行う。
- 2
- 更新申請料は20,000円とする。
- 第26条
- 委員会は審査に基づき合否を判定し,更新申請者本人へ結果を通知する。
- 第27条
- 更新合格者には新たな指導師証を交付する。
- 2
- 更新期間は,前認定期間満了日の翌日(4月1日)から5年間とする。
第13章 がん病態栄養専門管理栄養士研修における実地修練施設の概要
- 第28条
- がん病態栄養専門管理栄養士研修実地修練施設(以下、施設)は、がん病態栄養専門管理栄養士認定のための研修カリキュラムに基づく研修が可能であり、がん患者の栄養管理に関する豊富な知識と管理能力を有するがん病態栄養専門管理栄養士の育成に供することが出来ると本学会が認定した施設である。
第14章 実地修練施設の申請条件
- 第29条
-
実地修練施設の認定を申請する診療施設は,次の条件を全て満たすことを要する。
(1)がん診療拠点病院あるいは、本学会が必要と認めた施設であること。
(2)年間のがん新患患者数が200例以上の施設であること。
(3)指導師の責任の下に十分な指導体制が取れること。
(4)研修カリキュラムに基づく研修が可能であること。
(5)NSTによる栄養管理を実施していること。
- 2
- 前1項(4)における研修カリキュラム、到達目標など実地修練の具体的な研修内容と方法は別途附則に定める。
- 3
- 前1項の条件を満たさない場合であっても、本委員会が都度審議のうえ認めた施設については認定することができる。
第15章 実地修練施設の申請と認定方法
- 第30条
-
実地修練施設の認定を申請する診療施設は、常勤する指導師が施設長の許可を得て次の書類※を委員会に提出する。※すべて本学会所定の様式
(1)実地修練施設認定申請書
(2)診療施設内容証明書
(3)指導師並びに、がん病態栄養専門管理栄養士の勤務に関する証明書
(4)がん病態栄養専門管理栄養士研修計画書
- 第31条
- 委員会は年1回申請書類によって審査を行う。
- 2
- 施設の申請料は30,000円とする。
- 第32条
- 委員会は審査に基づき合否を判定して本学会理事長に報告する。理事長は理事会の承認を経て当該施設の指導師または、本学会が認めた者あてに結果を通知する。
- 第33条
- 本学会理事長は,委員会において実地修練施設として認定された施設に対して,理事会の議を経て実地修練施設認定証を交付する。
- 2
- 認定日は翌年10月1日とし,認定期間は5年間とする。
第16章 実地修練施設の資格の喪失と取消し
- 第34条
-
実地修練施設は次の理由によりその資格を喪失する。
(1)前条第29条に該当しなくなったとき。
(2)正当な理由を付して実地修練施設の資格を辞退したとき。
(3)実地修練施設の更新を受けないとき。
- 第35条
-
本学会および日本栄養士会は、次の理由により委員会、理事会の議を経て実地修練施設の資格を取り消すことができる。
(1)申請書類に虚偽が認められたとき。
(2)実地修練施設として不適当と認められたとき。
第17章 実地修練施設の更新条件
- 第36条
- 前条第29条の条件を全て満たしていること。
第18章 実地修練施設更新の申請と認定方法
- 第37条
-
実地修練施設の認定更新を申請する診療施設は、常勤する指導師が施設長の許可を得て次の書類※を委員会に提出する。※すべて本学会所定の様式
(1)実地修練施設更新申請書
(2)診療施設内容証明書
(3)指導師ならびに、がん病態栄養専門管理栄養士の勤務に関する証明書
(4)がん病態栄養専門管理栄養士研修計画書
- 第38条
- 委員会は更新申請書類により審査を行う。
- 2
- 施設の更新申請料は30,000円とする。
- 第39条
- 委員会は審査に基づき合否を判定し,当該施設の指導師あてに結果を通知する。
- 第40条
- 更新合格施設には新たな施設認定証を交付する。
- 2
- 更新期間は,前認定期間満了日の翌日(10月1日)から5年間とする。
第19章 制度の運営
- 第41条
- (委員会の構成)
委員会委員長は、本学会理事長が任命した本制度の担当理事とする。 - 2
- 委員は、本学会と日本栄養士会から推薦された者で構成する。
また、委員会委員長の推薦する委員と助言を行う顧問を若干名おくことが出来る。 - 3
- 委員会委員長は,委員会を掌握し本制度の円滑な運営を図る。
委員会担当理事は,委員長を補佐し,本制度の円滑な運営を図る。
委員会委員長は,副委員長を指名することが出来る。 - 4
- 委員会は、本制度の円滑な運営を図るために必要に応じて作業部会、小委員会を設置することが出来る。
作業部会、小委員会および業務内容等は別に定める。 - 第42条
- (委員会の招集と開催)
委員会委員長は,必要に応じて委員会を招集し,議長となる。 - 2
- 委員会は,委員数の3分の2以上が出席しなければ開くことができない。
- 3
- 委員会の議事は,出席者過半数の同意をもって決し,また可否同数のときは委員長が決するものとする。
- 4
- 正当な理由のため,委員会に出席することが出来ない委員は,予め通知された議案について,議長もしくは他の委員を代理人として決議を委任することが出来る。委任状をもって予め意思表示をした委員は出席者とみなす。
- 第43条
- 本制度の運営に関する決定事項は、本学会誌およびホームページによって会員に会告する。
第20章 制度規約の改廃
- 第44条
- 本制度規約の改廃は委員会で審議し、本学会理事会の議を経て承認を受けなければならない。
第21章 補則
- 第45条
- 本制度規約は,2013年5月27日から施行する。
- 第46条
- 本制度規約施行についての細則は別に定める。
- 第47条
- がん病態栄養専門管理栄養士等の更新に関する施行細則は別に定める。
(2014年7月13日改正)
(2016年度 第1回理事会承認・2016年6月1日改正)